今回からは少し長めのシリーズで展開します。
【伊勢に七度、熊野に三度、どちらが欠けても片参り】
という言葉をあなたは聞いたことがありますか?
以前、熊野詣をした際にも出した言葉です。
合わせて読みたい 熊野速玉大社はかつて平清盛も後白河法皇も訪れた熊野三山の一つ
前回、熊野詣を済ませた今、次に目指すものは何か。
それはもう、アレしかないです。
【お伊勢詣り】これしかありません。
では、さっそくお伊勢参りと行きましょう。
お伊勢参りは伊勢神宮からと思いがちですが、伊勢神宮の前に訪れるのがこちら。
【二見興玉神社(ふたみおきたまじんじゃ)】です。
ではさっそく参りましょう。
二見興玉神社(ふたみおきたまじんじゃ)とは!?
夫婦岩の沖合約700メートルの海中に沈む、祭神・猿田彦大神縁の興玉神石を拝する神社である。
猿田彦大神は天孫降臨の際に高天原と豊葦原中津国の間の道案内を務めたことから、「道開き(導き)の神」といわれている。この神の神使は蛙で、神社参拝の後に神徳を受けた人々が神社の境内に蛙の塑像を献納するため、境内には無数の蛙像が並んでいる。これは「蛙」の「カエル」に「無事に帰る」「貸した物が還る」「お金が返る」の「カエル」を掛けた 験担ぎである。
三重県では伊勢神宮の次に参拝客が多い神社としても有名です。
やはり伊勢神宮に参拝する前にと、セットで参拝される方が多いのでしょうかね。
いざ、二見興玉神社へ
では鳥居をくぐってさっそく参ります。
↑凛々しい狛犬様。かっこいいです。
夫婦岩は沖合700mの海中に鎮まる興玉神石の皇居と見なされており、日の出の遙拝所として古くから知られています。
男岩と女岩を結ぶ大注連縄は「結界の縄」と称され大注連縄の向かう常世の神が太平洋の彼方から寄り付く聖なる場所、そして手前を俗世という隔りを持ち張られています」とのこと。
凄いですね。「興玉神石の皇居」…言葉に神聖さが満ち溢れています。
海沿いにある神社ということもあり潮の香りがまたドキドキさせてくれます。
そして神の使徒「蛙」さま。
海沿いに進みます。
これが噂の夫婦岩ですね。こりゃたしかに迫力があります!
私が寝坊さえしなければ日の出が見えたかもしれません。
悔やまれる二度寝。後悔の嵐です。
満願蛙
「この蛙は 御神示により この水中にお鎮まりになりました 水を掛けると 皆様の願いが かなえられます」
とのこと。
「無事帰る」「貸したものが返る」「若返る」などの「縁起があるそうです。
「○○かえる」というダジャ…いえいえ、ご利益に昔から人々は夢中なようです。
やっぱり、ダジャ…いえいえ、掛け言葉は日本の文化ですしね。
個人的にも好きです、掛け言葉(笑)
満願蛙は水中の蛙さんです。水をかけると願いを叶えてくれるそうです。
しっかりとお水をかけながらお願いしましょう!
これら数多くの蛙さんたちは、二見興玉神社を参拝して御利益を受けた参拝者が奉納したものだそうです。
すごい数だなぁと思っていましたが、それだけご利益を感じた方が多いということですね。
そりゃ~、境内蛙さんだらけになるのもこの神社のパワーを反映させているということでしょうか。
数多くの蛙さんたちを眺めながら歩を進めようやく到着です。
二見興玉神社・拝殿
おお!やっぱり拝殿ともなると迫力がある造りです。
↑左側に見切れていますが、ここの神社のおみくじは「蛙みくじ」になっています。
むしろ期待通りです!
御祭神:猿田彦大御神
猿田彦大御神は記紀(古事記・日本書紀)において、【天孫降臨】の際、アマテラスの孫・ニニギノミコトの道案内をした神様です。
その神話でのエピソードもあり、「道開き(導き)の神」と言われています。
では、次は末社に参りましょう。
天の岩屋
「天の岩屋」
記紀(古事記・日本書紀)において太陽神である天照大神が隠れ、世界が真っ暗になったという岩戸隠れの伝説。
各地にそのような話になぞらえたものがいくつもありますが、ここもその一つです。
二見興玉神社の境内にある岩窟です。
稲を司ると言われる宇迦御魂大神(うがのみたまのおおかみ)を祀っています。
岩屋のお隣に立たれているのは『天鈿女命(アメノウズメ)』の石像です。
天照大神が岩屋に隠れてしまった際、蓋をしていた岩戸の前で踊った神様です。
ちなみに、神話補足で言うと御祭神:猿田彦命と夫婦神だったりもします。
夫婦ともにここにいらっしゃるというのも粋な演出ですね。
日の神皇居 遥拝所と夫婦岩
この夫婦岩は男岩と女岩で構成されています。
男岩は高さ9m、女岩は高さ4mで、夫婦岩を結ぶ大注連縄は1本の長さ35mで男岩に16m、女岩に10mほど張られていています。ちなみに、その間は9m。
なかなかの巨大な注連縄です。
この夫婦岩、5~7月あたりだと夫婦岩の間から日の出を見ることが可能です。
さらには秋~冬にかけては夫婦岩の間から満月を見ることができるそうです。
絶景の撮影スポットとしても最高の場所。写真が好きな人はトライしたいところです。
そして、この先にあるのがこちら。
竜宮社
竜宮社:祭神 龍神大神、大綿津見神
1792年、大津波で民家の大半が流出、無難の家は僅か5、6件という災害が発生したため、再び水難に遭遇せぬよう五十鈴川江の河口に龍神を勧請した。現在の龍神社五十鈴川河口の埋立や護岸工事のため昭和13年当社境内に遷され竜宮社と称した。
境内看板より
水難由来の社であり、海の神様を祀っている摂社ですが、心願成就、開運、商売繁昌、海上交通安全、大漁満足など、幅広い御利益もあるそうです。
せっかく二見興玉神社にいらしたら、拝殿奥のこちらも是非参拝しましょう。
おわりに
かねてより、伊勢神宮に参拝する前には、二見浦で禊(みそぎ)を行うのが慣わしでした。
つまり、二見興玉神社へ行ってから伊勢神宮の外宮、内宮とお参りするのが正式な「お伊勢参り」だと言われています。
これから伊勢神宮を参拝するご予定があるという方は、是非、二見興玉神社を先に参拝しましょう。
御覧いただいたように、大変にボリューム満点の素晴らしい神社です。
身を清めたうえで、伊勢神宮に参りましょう。
合わせて読みたい 伊勢神宮外宮こと豊受大神宮!正しい参拝順で聖域を歩きましょう
二見興玉神社
所在地:伊勢市二見町江575
電話:0596-43-2020
駐車場:あり
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