我が故郷「埼玉県」。
「埼玉県外の友人を案内するとなると…埼玉ってどこに連れていけばいいんだろう…。」
その悩みが尽きないのが埼玉県です。
ギリ、ギリで川越ってところでしょうか。あとは秩父?それ以外はもう埼玉でできることって東京でできちゃうんですよね。
ほんと、埼玉県って魅力が…っていうと悲しくなるのですが、そんな特徴がないのが長所とも言えると俺は思います。
そんな県外民をもてなすのにどうしたらいいんだと思った方、これから埼玉を開拓したいと思っている希少なあなた。
今回ご紹介するのは埼玉県の県庁所在地である浦和駅からすぐのところにあるこちらです。
【調(つき)神社】です。
「調(つき)神社」の名前から、勝負事の「ツキ」を手に入れられるパワースポットとしても知られています。
地元・浦和レッズの選手が必勝祈願に訪れるのはココ、調神社です。
そして、既に写真に写っているのですが、こちらの神社には狛犬さんがいません。
その変わり、「狛兎」がいるという変わった神社なのです。
では、参りましょう。
調神社とは!?
社記(寛文8年(1668年)の『調宮縁起』)によれば、第9代開化天皇の乙酉年3月に奉幣の社として創建されたという。また第10代崇神天皇の時には伊勢神宮斎主の倭姫命が参向し、清らかな岡である当地を選び神宮に献上する調物を納める倉を建て、武総野(武蔵、上総・下総・安房、上野・下野)すなわち関東一円の初穂米・調の集積所と定めたとする。さらに宝亀2年(771年)6月20日には勅使として藤原朝臣常恣が奉幣を行なったので、これが例大祭(現在は新暦7月20日)の起源になったと伝える。
上記伝承の真偽は定かでないが、『式内社調査報告』等においても、社名に「調」と見えることからやはり朝廷への調物(貢ぎ物)を納める御倉が調神社の前身になったと想定している。関連伝承として調神社の七不思議のうちに「鳥居が無いこと」があり、その中で倭姫命の命により調物の運搬の妨げとなる鳥居・神門を取り払ったことによると伝えており、この伝承も調神社の前身が御倉であったことを表すものとされる。
引用元: Wikipedia「調神社」
↑なんと、こちらのあの倭姫がいらしたそうです。
また、関東一円の初穂米・調の集積所となっていたとは。さらに、倭姫の命により調物の運搬の妨げとなる鳥居・神門を取り払ったとのこと。
なので、上の写真を見ていただければおわかりなのですが、神社なのに鳥居がありません。今もです。
なぜ今だに倭姫の命が遵守されるのかというと、すごいお人だからなのです。
合わせて読みたい倭姫の話
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↑三種の神器である草薙の剣をヤマトタケルに渡したり、伊勢神宮の場所を決める旅をしたり、しまいにゃ卑弥呼の候補者だったりする実はすごい人物なのです。
上記の記事内でも触れていますので興味がある方は是非合わせてごらんください。
ウサギさんが神社を守る!?狛兎さんにご注目!
か、可愛い。うさぎさん可愛い!
神の使いが動物であるケースは当ブログでも数多く見てきましたがウサギさんは初登場です。
古代の税制「租庸調」の「調」。
「調」と書いて「つき」と読むこの言葉の意味は「貢ぎもの」です。
伊勢神宮への初穂をおさめる倉庫から発展したこの調神社。神社のある辺りは中世、大調郷と呼ばれていたそうです。「おおつき」は大きな槻を意味します。
「つきの宮」は「月の宮」という意味合いもありました。
月待信仰が盛んであった中世には、月宮殿に凝せられたそうです。そのため月の使い姫である「兎」が社殿彫刻や石像に用いられるようになり現在に至ると。
月待信仰とは民間信仰のひとつとされています。23日(旧暦)の夜の月の出を待つ行事で、村の人々が集まって飲食し、月を拝み、無病息災を祈ったそうです。
そういった経緯や歴史もあり、この神社ではウサギさんがおられます。
当社は天照大御神、豊宇気姫命、素盞嗚尊の三柱を祭神とする。
延喜式内の古社にして古くより朝廷及び武門の崇敬篤く調宮縁起によれば第九代開花天皇乙酉三月の頃祭奉幣の社として創建され第十代崇神天皇の勅命により神宮斎主倭姫命が参向此の清らかな地を選び神宮に献る調物を納める御倉を建てられ武総野の初穂米調集納蒼運搬所と定めらる。
倭姫命の御伝により御倉より調物斎清の為め当社に搬入する妨げとなるため鳥居、門を取払はれたる事が起因となり現今に到る。境内掲示より
↑
御祭神は「天照大御神」・「豊宇気姫命」・「素盞嗚尊」です。
はい。日本神話に詳しい方なら「月読尊」いないんかい!っとツッコミを入れたくなるところです。
では気を取り直して参りましょう。
手水舎には巨大なウサギさん
おぉ~。ウサギさんから水が…。
まぁ、奈良の春日大社も鹿さんから水が出てましたし。この神社のウリですしね。
ウサギさん全面押しです。
調神社の社殿へ
風格のある拝殿です。やっぱ神社はこうでないとっていうくらい王道な感じの造り。
安政5年(1858年)に造営された調神社の社殿は、本殿と拝殿が一体となった総欅の権現造になっています。
安定感がありますね。しっかり手をあわせて必勝祈願してきました。
山積みの桶を支える狛犬さん。小さい…けど可愛い。こんなところにおられました。
↑神楽殿
神社の奥に行きます。途中、「神池」があるのですが…。
…え!?
手水舎よりも激しく水を吐き出すウサギさん…。パワフルです。
調神社稲荷社(旧本殿)へ
ここには赤い鳥居がありました。
旧本殿を社殿として使用した「稲荷神社」
囲いがしっかり社を守っていました。
摂末社へ
境内にある味のある手水舎を発見。
「うわ~たまらん!!」と苔好きには刺激的な苔でした。
調宮天神社
御祭神:菅原道真
学問の神様でも有名な菅原道真公を祀っています。
金比羅神社
御祭神:大物主神
出雲大社でもおなじみの大物主神を祀っています。
↑ちなみに、先代の狛兎さんもおられました。
風格があります。子兎がいるあたりがまた可愛らしい仕上がりです。
おわりに
なんとも独特な調神社。なんと、今だに語られる七不思議というものがあります。
- 鳥居が無いこと。(倭姫命の命で、調物の運搬の妨げとなる神門・鳥居を除いたことによるという。)
- 松が無いこと。(当地に姉神・弟神がいたが、そのうち弟神は大宮にいってしまい姉神が待っても帰ってこなかったため、姉神がもう待つことは嫌いだと言ったことに由来するという。また、姉神が待っているときに境内の松で目を突いたためともいう。)
- 御手洗池(ひょうたん池とも、現在は消滅)の池に魚を放つと、その魚は片目になること
- 兎を使姫とすること
- 日蓮聖人駒つなぎのケヤキ。(佐渡島に流罪途中の日蓮が、当地で難産に苦しんでいた女性のためケヤキに駒を繋いで安産祈祷をしたことに由来するという。)
- 蝿がいないこと
- 蚊がいないこと
↑これが今だに語られる七不思議。
鳥居に関しては冒頭で触れました。松…なかったんかな。木はたくさんありましたが…。
参拝中、蝿や蚊には出くわさなかったような気がしますが…気がつかなかっただけかもしれません。
インパクトのある神社かつ、最寄りの浦和駅からもアクセスがいいのがまたウリだったりもします。
最近ツイてないと感じるいる方。これから勝負事が控えている方。
ここはひとつ、調(ツキ)神社で「ツキ」を呼び込んでみてはいかがでしょうか?
調神社
所在地:さいたま市浦和区岸町3-17-25
電話:048-822-2254
駐車場:あり
最寄り駅:JR「浦和駅」西口より徒歩10分
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