出雲大社で有名な島根県。
神話の舞台にもなる出雲には出雲大社以外にも数多くのパワースポットと呼ばれる神社が数多くあります。
今回はそんな出雲地方にある有名な神社を訪ねます。
その名も【神魂神社】です。
名前がその凄さを語ってくれます。神の魂の神社です。
これで【神魂(かもす)神社】です。普通に「かもす」とは読めませんね。
神魂神社(かもすじんじゃ)とは!?
神魂神社案内
御祭神 伊弉冊大神 伊弉諾大神
祈念祭 四月十八日 例祭 十月十八日 新嘗祭 十二月十三日
当社は出雲国造の大祖天穂日命がこの地に天降られ出雲の守護神として創建、以来天穂日命の子孫が出雲国造として二十五代まで奉仕され、大社移住後も「神火相続式」「古伝新嘗祭」奉仕のため参向されている。
本殿は室町時代初期、正平元年(一三四六年)建立の大社造で、その大きさは三間四方高さ四丈あり出雲大社本殿とは規模を異にするが、床が高く、木太く、特に宇豆柱が壁から著しく張り出していることは大社造の古式に則っているとされ、最古の大社造として昭和二十七年三月国宝に指定されている。
本殿内は狩野山楽土佐光起の筆と伝えられる壁画九面にて囲まれ、天井は九つの瑞雲が五色に彩られている。-境内案内より-
天穂日命(アメノホヒ)というのは天照大神とスサノオが誓約をしたときに生まれた神様です。
高天原という天界を治める天照大神が葦原中国(地上)を治めようと出雲の大国主神の元に天穂日命遣わします。そして、大国主神を説得するうちに彼に心服して地上に住み着き、3年間高天原に戻らなかった逸話をお持ちの神様です。
神話の話をしてしまうと、天照大神は新たに「アメノワカヒコ」という神様を遣わしますが、この神様は大国主神の娘に心を奪われ、御殿を建てて住みついてしまいます。
天照大神は様子を見てくるようにと鳴女(なきめ)と呼ばれるキジを送りましたが、キジはアメノワカヒコに射殺されてしまいました。
使者が誰も帰ってこないので、天照大神は力自慢のタケミカヅチと足の速いアメノトリフネ(日本書紀ではフツヌシ)の二神を差し向け、「国を譲れ」と実力行使します。
この国を譲るという話が国譲りとして伝わる神話です。
話の続きは出雲大社のところでも展開しています。よろしければご覧ください。
合わせて読みたい 出雲大社の創建は神代!?古代より大国主大神が鎮座する縁結びの聖地
神話も知ってみるとなかなかに面白いもんです。
だいぶ話が脱線してしまったのですが、天照大神を裏切り、大国主神に寝返ったともいえる天穂日命の子孫が出雲国造として二十五代まで奉仕された神社になります。
気に入った土地が手に入らないから圧力をかけて譲らせる天照大神。こうして神話を見ると恐い神様ですね。
きっと天穂日命も大国主神の魅力に惹かれたんじゃないかと個人的には思います。
では、その神話の時代から続く神社を参拝します。
いざ、神魂神社へ
苔が生えるほどの美しい手水舎。味がありますね。
まっすぐに伸びる石段を登ります。
出雲地方ならではの太い注連縄にシンプルな拝殿。
重厚感のある美しい本殿はその神聖さを反映しているかのようです。
それもそのはず。冒頭で触れたようにこちらは最古の大社造として昭和二十七年三月国宝に指定されています。
武勇社・蛭子社
写真右奥が荒神社。
そして本殿隣が貴布禰稲荷両神社。「二間社流造」という珍しい造りになってます。
貴布禰社(向かって右)稲荷社(向かって左)です。
そして左側が外山社。
そして本殿を挟んで逆サイドへ。
杵築社・伊勢社・熊野社・釜
おわりに
美しも静かなそのたたずまいは清々しいほどに聖域感を漂わせます。
神の魂の神社。その名に恥じない素晴らしい神社です。
【神魂】をなぜに【カモス】と読むのかについては諸説があります。
神霊の鎮り坐すところ。つまりは神坐所(カミマストコロ)とされ、それが「カンマス」→「カモス」となった説。
神魂神社の御祭神イザナギとイザナミの夫婦の「道を開きムスビ給いし古事により神ムスビ(縁結び)の大神」と唱えたことから「カモス」となった説。
神皇産霊(カムムスビ)神を当初祀ったことではいかという説などなど。
諸説いろいろあるわけですが、結局は謎ということ。
美しくも清々しく、かつミステリアスな社。神魂神社。
ぜひご参拝ください。
神魂神社
所在地:島根県松江市大庭町563
電話:0852-21-6379
駐車場:あり
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