「あなたのおすすめスポットはどこですか?」
そう問われたら私はこう答えます。
そんな私が大好きな「二月堂」にて執り行われる「お水取り・お松明」という法要について紹介させていただきます。
「お水取りが終わらないと、奈良には春が来ない。」
奈良にはそんな言葉もあるそうです。
お水取りとは!?
1260年以上一度も休むことなく続く伝統行事で、 寒い真冬の夜に、大松明を持った童子(どうじ)が観客の頭上に火の粉を散らしながら舞台を回ります。
二月堂の本尊十一面観音に、東大寺の僧侶が人々にかわって罪を懺悔して国家の安泰と万民の豊楽を祈る法要です。
この行法の起源については、天平勝宝4年(752)東大寺開山良弁僧正(ろうべんそうじょう)の高弟、実忠和尚(じっちゅうかしょう)によってはじめられたと伝えられます。
以来一度も途絶えることなく続けられています。 この法会は、現在では3月1日より2週間にわたって行われていますが、もとは旧暦の2月1日から行われていましたので、二月に修する法会という意味をこめて「修二会」と呼ばれるようになりました。
また二月堂の名もこのことに由来しています。 行中の3月12日深夜(13日の午前2時)には、「お水取り」といって、若狭井(わかさい)という井戸から観音さまにお供えする「お香水(おこうずい)」を汲み上げる儀式が行われます。
また、この行を勤める練行衆(れんぎょうしゅう)の道明かりとして、毎晩7時(12日は7時30分・14日は6時30分)に行なわれる「お松明」は、長さ約7mにもなる大松明を童子(どうじ)と呼ばれる人がかつぎ、練行衆はその松明の火を道あかりとして、二月堂のお堂へ入っていきます。
夜毎、大きな松明(たいまつ)に火がともされ、参集した人々をわかせます。このため「修二会」は「お水取り」・「お松明」とも呼ばれるようになりました。
お水取りに続き、大松明を持った練行衆が内陣をかけまわる達陀(だったん)という妙法があり、15日にはダッタン帽を幼児にかぶせると健康に育つという風習が残っています。
おたいまつは、1日から14日まで毎日上堂されます。このお水取りが終わると、奈良に春が訪れるといわれるほど古くから奈良の人々に親しまれる行事です。
↑にあるように「旧暦の2月1日から行われていましたので、二月に修する法会という意味をこめて「修二会」。
執り行われるお堂もそれにちなんで「二月堂」。
周囲には三月堂や四月堂もあるのですが二月堂も含めてこちらで紹介しています。
合わせて読みたい 東大寺二月堂の見所は懸造による絶景だ!良弁杉の秘話も要チェック
↑今回は触れられない二月堂についてや秘話なんかもご紹介しています。合わせて御覧ください。
話を戻して、「修二会」は3月1日より2週間にわたって行われる長期戦となります。
ちなみに「修二会」は「お水取り」・「お松明」とも呼ばれるようになったそうです。
かなりの大変な法要ですが、これが終わらないと奈良に春は来ないと言われる程のものなのです。
752年以来、途絶えることなく執り行われている修二会。
そして、「お水取り」ですから水を取ります。取る水を送ってもらう必要があるのです。
参考観光スポット詳細:お水送り(おみずおくり)|観光スポット | 若狭おばま観光協会公式サイト
↑こちらにあるように小浜市神宮寺からお水を送っていただきます。
ということで、ここからは2015年3月11日と12日の様子を合わせてレポートします。
念願のお松明!
ちなみにこちらは関係者席です。詳しくは言えないのですがご招待いただきました。
物々しい雰囲気と緊張感があたりを包みます。
籠松明に火が灯りました。ちなみにこの籠松明「長さ8m・重さ70kg」もあるそうです。
…俺より重いのか…。
燃え上がるお松明を持って石段を上がっていきます。
そして、階段を上り二月堂の回廊へ上がります。
「おぉ~」と歓声が上がります。
燃える籠松明を回転させてしまいます。
なんという激しさ。
そして、それに目もくれず次々と着火します。
そして回廊にて燃え上がる籠松明。
神聖なる法要だからなのでしょうか。炎が美しいと思えます。
そして、回転させた後は…。
回廊の反対側まで走って持っていきます。
まさに体力勝負です。
この日は12日なので11本の「お松明」があげられました。
お松明が終わったあとはおまわりさんの指示に従って解散となります。
お松明の後は…
お松明の後、二月堂に寄ることも可能です。
先程までの激しい法要が嘘のように静まり返っています。
先程までは人で埋め尽くされていたのですが…意外と人はあっさりはけています。
さっきまでの人混みも嘘のように消え失せます。余韻に浸りたい人は是非二月堂に登ってみましょう。
実は中ではまだ法要は続いています。外からそれを見学することも可能です。
是非とも二月堂茶所へ立ち寄りましょう!
こちらにはあれこれと展示がされているんです。
例えばこちらの「杉葉の燃え差し」。
「災難除け」になるそうです。くれぐれも恥ずかしくない行動でお持ち帰りください。
展示用の籠松明先端3m!十分にでかいです。
よくこれを持って二月堂の階段は上がるは回転させるは走るは…。
東大寺の僧侶のみなさまが我々にかわって罪を懺悔して国家の安泰と万民の豊楽を祈る法要とは言え大変なことです。
ちなみにこれが燃えきった後の籠松明です。
そしてこれが「さだまさし」さんからの籠松明だそうです。
閼伽井屋とお香水
そしてこちらが二月堂の前にある「閼伽井屋(あかいや)」
お香水とは、二月堂前にある「閼伽井屋(あかいや)」の井戸から汲み上げる水のことを言います。この水は「十一面観世音菩薩」にお供えされる他、行の中でも使われ、さらに参詣者にも分けられます。
閼伽は仏前に供えるお水のことを指し、その閼伽を汲むための井戸が閼伽井となります。
お香水の由来は、実忠和尚が「十一面悔過」において全国の神を勧請した際に、若狭の国の「遠敷明神(おにうみみょうじん)」だけが魚釣りをしていて遅刻してしまいました。
その時にお詫びとして遠敷明神が「遠敷川から水を贈る」と言って、二月堂の近くに清水を湧き出させたのが始まりと言われ、それが後に「閼伽井屋(若狭井)」となったと言われています。
お水取り」の由来は、「十一面悔過」を行う際、若狭井の井戸から汲み上げた水を「十一面観世音菩薩」に供えることから呼ばれるようになったそうですが、ここの井戸が小浜市と繋がっているというのもすごい話です。
おわりに
法要自体はまだまだ続きますが私はここまでとしました。
念願のお松明初参加。とにかくすごいの一言。予想を超える激しさに魂を揺らされました。
一度と言わず、何度でも参加したいと思える法要でした。
今年の予定はHPで確認してください。
LINK お松明|修二会|年中行事|華厳宗大本山 東大寺 公式ホームページ
東大寺 二月堂
所在地:〒630-8587 奈良市雑司町406-1
電話:0742-22-5511(東大寺代表)
拝観時間:24時間参拝可能
入堂料:無料
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