毎日まじめに会社へ出勤し、務めを終え、家へ帰る。
そんな毎日を送っている社会人の方はある日こういうことを思ったことが1度はあると思うんです。それは…。
「俺はこのままでいいのだろうか…。」
といったもの。
私個人の話をすると27歳の時でした。
奇しくも、私の周りには同じように考える先輩、後輩、友人がいてよくそのようなことを話したものでした。
「人生一度きり」、「自分探し」、「夢を諦めるな」…など素敵な言葉を挙げればきりがありません。
夢のある言葉は時として背中を押してくれます。
しかし、応援してくれた言葉は責任を持ってくれません。
勢いに任せて、夢を見に社会を飛び出した人間はその後どうなるんでしょうか。
今回は会社を辞め、旅に出て帰ってきた私と友人の話をしたいなと思います。
「夢を諦めるな」、「人生一度きり」といった甘い言葉
あなた高橋歩さんという方をご存じでしょうか?
旅本などでは彼の書物がずらっと並べられるほどの著名人です。
「自由人」を自称する日本の実業家・随筆家として知られます。
旅をすること。心を開くこと。
ドキドキするような楽しい毎日を送りたくなるような素敵な本を読んでしまうと、この現実はなんなのかと感じるようになってしまいます。
けっして高橋歩さんが悪いとかではなく、夢を見せてくれるぶん、現実の差を受け止めなければなりません。
それは読んだ人の心次第だと思います。
ただ、現実に満足しきれていないと私や私の友人たちのようにこの社会から離れたいと願うようになってしまいます。
私の友人の多くは一眼レフカメラを愛する写真仲間。
素敵な写真を撮りたい気持ちも「海外へ行きたい」という気持ちに直結していきました。
友人の口から「私、今の会社を辞めて海外留学する」そんな言葉をもらす友人がなぜか私の周りには何人もいました。
海外留学していった私の友人たち
友人Aは会社の営業マンでした。大学を出て3年。まじめに働いていました。
しかし、海外で自分を試したかったという学生時代の想いを押し殺して現在の会社へ入職しました。
就活氷河期とも言われる時に内定をもらった会社で働いていたわけですが、海外への想いは募り、留学へと舵を切りました。
友人B。彼は大学卒業後銀行マンとして働いていました。そのまま誰もが定年まで働くんだろうなと思っていた矢先のこと。
人生がつまらないと感じたらしく、高橋歩の本を読んだのか銀行を辞め、世界一周の旅へと出かけていきました。
後輩C.彼は私と同じ病院で働いていたのですが彼も世界一周の旅に出たいと言い始め、資金をため海外へと飛び出しました。
後輩D。彼女も私の職場の後輩の一人でした。彼女は夏季休暇はよく海外旅行にでかけていたのですがある時決意。
病院を辞め海外を放浪してました。
みな海外へと舵をきった近しい人間なのですが、まじめな思いを持って旅にでるやつ、なんとなく楽しそうだからとラフに出る奴、とりあえずストレスフルな現状から離れたい人それぞれでした。
帰国した友人を待ち受けていた現実
友人Aは帰国後、とある資格を取るために猛勉強しはじめました。海外留学に本気で取り組み出ていったのですが現実は厳しいと打ちのめされたようでした。
当初は英語を学び、留学という拍車をかけて英語を使った仕事に就きたいと考えていたそうですが路線変更。今は非常勤講師をしながら就職に活かせる資格の勉強に取り組んでいます。
友人Bは帰国後無職となり、路銀もつきとても金銭的に苦しい生活を送っています。世界各地を見て多少人見知りな感じがあった彼が陽気なキャラに変わっているのが衝撃でした。
しかし、現実とは苦しいもの。就職はなかなか進まず、面接官には「世界一周旅行をしてあなたは何ができるようになったのか?」と問われ、「別に何もできるようになってないとショックを受け」、一時はうつ病のようになっていました。
最近はようやく立ち直ってきて、今は農家になろうと画策しています。
後輩Cは世界一周旅行の前に留学し英語を勉強してから旅に出ました。なかなか語学力が上がらなかったと言ってました。
世界は想像していたものと違ったそうで。彼曰く、はやく日本に帰りたい思ってたとのこと。今は日本で再び看護師をしています。
後輩Dは旅行中カンボジアや医療がまだ発達していない国を見て思うところもあったらしく、帰国後は看護師の資格を活かし医療情報系サイト制作会社へ入社しました。
私が応援Nsとして関西へ出た話
私の話は前に記事にもしているので詳しくはそちらを参照してもらえれば幸いです。
彼らのように人生をかけて海外に出たのとはレベルが違いますが、長年働いた会社を辞め、あえて自由な立場となって遊びほうける生活を送りました。
自分がいなくても元の職場は何事もなかったかのように機能し、可愛がっていた後輩たちは力をつけ、当時の自分以上の働きをしていました。
そんな話を聞くたびに私って必要なかった存在なのかと自問自答することもありました。しかし、自分から居場所を手放したのだからと自分に言い聞かせ遊びほうけました。
「燃え尽き症候群」ともなっていた私はまじめに働くよりも心の静養の方が必要だったと今でも思います。
そんな毎日から新たなステージに立とうと思えるようになったことは大きな財産であり、今の自分を形成する大事なパーツとなりました。
明暗を分けたのは帰国後の「備え」
私と友人を含め、会社を辞めて旅に出ようと思っている人はわりと現実のストレスにやられていて冷静になりきれてない部分もあると思います。
彼らと当時のことを話すると「帰国後のことはあまり考えられてなかった」と口をそろえて言います。
そりゃそうです。留学先の手配からビザから今住んでいる部屋を手放したり、貸倉庫を手配したり、英語の勉強なども同時進行で進めたりしなければなりません。
「帰国後のことは帰国してから考えよう。帰国前になったら考えよう。」どうしてもそうなりやすいです。
今回例に出させてもらった友人以外にも海外に出た友人がいますが、やはり帰国後の働き方が難しいとのことでした。
もちろん、そこには個人差があります。スムーズに再就職する人、友人Bのように途方に暮れる人。それぞれです。
私の周りでは看護師がやはり多く、国家資格の強みですね。就職に困らない友人ばかりでした。
まとめ
資格がない人は海外留学するなという話ではなく会社を辞めてまでチャレンジすることがあるのならチャレンジが終わった後のことまで是非プランを立てて欲しいということです。
「保険をかけてては本気で冒険できないんだよ!」という方は人生の全てを投げうってチャレンジしてください。
止めることはむしろ失礼に当たると思います。
私は看護師という資格のおかげ何不自由なく生活できてます。例に出した後輩のCもDもです。
ですが友人のAとBは苦戦してました。
特にAは学んだ英語を駆使した仕事につくことを画策していたようでしたが現実はうまくいかず路線を変更せざるをえませんでした。すごくすごくまじめな奴なんですが。
友人が苦しむ姿を見ていて私には何ができるのかと思い悩むこともありました。
なので、これから会社を辞めて旅に出ようと思っている人にあえて言いたい。
帰ってきからのこともちゃんと考えてほしい。
どれだけ楽しいお祭りでも、必ず終わりがきます。どれだけ綺麗な花であっても、必ず枯れます。
これから人生を賭けるような冒険にも必ず終わりを迎える日が来ます。
密かに貯金をし、海外留学を目論んでいるのなら何か資格を取っておくことも考慮されてはどうでしょう?
自分の価値を高めて損することはないと思います。冒険することと、自棄になるは違うはずです。
甘い言葉で人生を溶かす必要はありません。
留学した結果、もっとビッグに新しくやりたいことが見つかるかもしれません。
それこそ磨いた語学をいかせる仕事がみつかるかもしれません。以前勤めていた会社よりもやりがいのある仕事に就けるかもしれません。
人生は一度きりだからこそ、やりたいことを無謀にやるのではなく、大切に生きて欲しいと思います。
一度、心を病み、社会からドロップアウトした私が今何食わぬ顔をして生きていられるのも若き日にとった「資格」の存在が大きいです。
是非、これから海外留学を視野にがんばっている人は何か自分の強みを作っておくことも考慮してみてください。
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