こんばんは。看護師のmasayan(@masayan382)です。
みなさんは「怒り」という感情で失敗した経験はありませんか?
私はあります。ぐわっと沸き上がった怒りに身を任せてしまって暴言を吐いてしまい、友人関係にひびが入ったり、患者さんと口論になってしまったりと苦い思い出があり、むしろあまり思い出したくないくらいのことがありました。
看護師という人と接する職業につき、ある程度の心理学なんかも学びました。さらに自分で踏み込んで勉強してみるとやはり面白いなと思えることもたくさんありました。
今回は看護師として、大人として、「怒り」という感情について、その対処法に関してお話したいと思います。
でわ、参りましょう。
怒りとは!?
「怒り」とは、人間の原初的な感情のひとつです。どのように発生するのかといえば、様々な要因・理由で起きるものだったりします。
例えば、自分が不甲斐ないと感じたり、正当な理由もなく暴力を受けたり、大切にしているものを侮辱されたり。
自分に関することじゃなくても、他人や物が対象でも条件さえ揃えば「怒り」が込み上げてきます。
その条件というのを突き詰めていくと…「想定した範囲を超えた」時に怒りが発生します。
想定した範囲って何なんだって思いますよね。いくつか例えてみましょう。
例題
①レジでお会計をしようと並んでいたとします。隣のレジで割り込み客がいて口論となっていても自分は知らん顔で自分が並んでいるレジで買い物をします。怒りという感情が出てくることはないと思います。(隣のレジを見て不快感は感じるかもしれませんが。)しかし、自分が並んでいるときに、自分の前に割り込み客がいたら怒りという感情が湧いてくると思います。
②ただ、道を歩いていただけで、正面から歩いてくる男にいちゃもんを付けられて殴られたら怒りという感情が湧いてくると思います。
③前日に夕食後に食べようとアイスを買って冷凍庫に冷やして置いたら、当日他の家族に食べられていたら怒りという感情が湧いてくると思います。
④自分が何か月もかけて慎重に作ってきたプラモデルを家族が誤って触ってしまい崩して壊れてしまったら怒りという感情が湧いてくると思います。
例題の考察
①レジの横入りを想定していることは少ないと思います。順番に自分の番がまわってきてお会計を済ます。その後の帰り道や、帰った後にすることなど自分の中で予定していることができなくなったり、他人の迷惑よりも自分を優先するそのモラルなど自分の信条など逸脱したことが引き金になっていると思います。
②これは理不尽なことですが、道を歩いていて殴られることを想定している人もいないでしょう。想定していないことを受けて怒りが発生するするのは必定かもしれません。
③これは実体験でして(笑)妹のスイカバーと知らず冷凍庫にあったから食べたらだいぶもめました。
④これも実体験で中学生の時におれのガンプラを母親に破壊されました。悪気はなかったのはわかっていても怒りがこみ上げてきました。学校から帰った私はまさか丹精込めて作ったガンダムが崩れているとも想定できず。母親に暴言を吐いてしまいました。
しょうもない例題ですみません。
ですが、どのケースにしても共通しているのは「想定した範囲を超えた事象が起きたこと」です。
「想定」と、それを超えた「現実」。このズレが怒りを生むのです。
それは②のように一方的に他者が危害を加えようとするだけでなく、自分の不甲斐なさや、有機物、無機物だろうと関係ありません。
「怒り」を生む線引き
先ほど説明したように、怒りは「想定した範囲を超えた時」に生まれます。では、「想定」とはどのようなものか。
それは個人個人で違います。
先ほどの例題でも自分のアイスを家族が食べても怒りを感じない人もいるはずです。
「どうせ父親が食べると思ってたし」とか。「まぁ、壊されたのがガンダムで良かった」とか。
中には「そんなことよりもあなたは怪我しなかったの?」と優先度がまったく違うケースだってあるはずです。
この「想定」というのはその人の信条や常識、固定概念で変わります。
「なんでそんなことまでできないんだ?考えられないんだ?非常識だな」なんて言われたことないですか?
後輩や部下に指示も出さないで勝手に期待しておいて、想定した結果が得られなくて怒るようなことはないですか?
怒りの物差しは本当に人それぞれ。
そして、自分の常識は他人の常識と同じではないということを理解しておく必要はありますね。
怒りの対処法について
自分は怒りっぽくて困っている。なんて人にこれから伝えたいのが怒りの対処法。
もっとも有名なのが「アンガーマネージメント」です。
読んで字のごとく。「怒りの管理方法」です。
アンガーマネージメントの極意!それは「6秒ルール」
諸説あるのですが、実は怒りのピークは長くて6秒といわれています。
引用元:アンガーマネジメントで学ぼう!カンタンにできる怒りやイライラのコントロール術/ナースが教える仕事術
6秒カウントするとその間に怒りのピークが薄らいていくというもの。
6秒待つといのも慣れないうちは大変だと思いますが、怒りを我慢して、場を繋ぐために事実確認をしながらというのは職場で私がよく使う手です。
また、先ほどのページには「アンガーマネジメント診断」なるものもあります。自分の傾向を知り、対策を考えるのもよろしいかと思います。
参考アンガーマネジメントで学ぼう!カンタンにできる怒りやイライラのコントロール術/ナースが教える仕事術
しかしここで、疑問に思う方も中にはいらっしゃるかと思います
それは、「これって対症療法じゃね?」ってこと。
そうです。あくまでもこれは対症療法。生まれた「怒り」の対処法に過ぎません。
もともとの「怒り」が生まれなければアンガーマネージメントなんて不要なんじゃないかという考え方もあるわけです。
ちなみに「対症療法」と「根治療法」に関してはこちらをご参照ください
「怒り」の根治療法
それは、上記でも説明したように怒りを生む「想定」や「基準」「信条」や「常識」を緩くすることです。
「〇〇じゃないと許せない」とか「××じゃないと気が済まない」という状態ではそれから逸脱したら即、「怒り」が生まれます。
「そうじゃないといけない」という思い込みや、「自分ルール」をゆるめてみましょう。許容範囲が広がるはずです。
「まぁいいか」、「しょうがない。次の一手を考えよう。」そんなことが言える器の大きい大人や、建設的なことが言える人って素敵じゃないですか?
怒ることでそれらが解決できるのでしょうか?大概は解決できないですよね。起こったことはしょうがない。変わらない過去を嘆くより、変えられる未来を見定める。
そんなことができるといいなと私は思っています。
そして、ここまで触れてきたことはある程度、意識できていたことだと思います。
次は無意識なところにも触れてみます。
他人と口論になったときに働いている心理とは!?
怒りに身を任せて一番失敗することは他人との口論。なぜ口論になってしまうのか…。
アドラー心理学では、「怒りとは縦の関係をめざし、そのなかで自分が上にたとうという、そもそもの設計があるから起こってくるもの。」という考え方があります。
過去自分が他人と口論をしているときも、「自分の方が正しい」「自分の方が絶対だ」なんてしょうもないプライドを守ろうと相手を罵ることがありました。今思い出しても恥ずかしい思い出です。
口論のような感情的なコミュニケーションでは、その感情を使って相手を支配しようとします。また、絶えずどちらが勝ちでどちらが負けかを争ってしまいます。例えば、「自分の要求が通れば勝ち、要求を断られれば自分の負け」というような設定を無意識にしてしまいます。
怒りに任せた口論の際には勝ち負けではなく、「現状を打破する最善策を考えましょう」と建設的に勝ち負けではないところに目標を定められるとよい結果が得られると思います。
まとめ
考え方は十人十色。良いも悪いも、常識も非常識も線引き、物差しは人それぞれ。考え方も価値観も違う人間同士が接すればすれ違いや考え方の違いも出てくることでしょう。
だからと言って、放っておいていても、もめごとが増えるだけ。仲良く、助け合って行くには折り合いを見つけるしかないです。人は一人では生きていけません。
「自分の許容範囲を広げる」、「勝ち負けを争わない」、「6秒ルール」どれか役に立つと思えたものがあれば幸いです。
「怒り」という感情は、ほかならぬ自分が生み出す感情です。
ここで今一度、自分自身を見つめてみるのもよろしいかと思います。
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