こんばんは。masayan(@masayan382)です。
今日はあまり気乗りしない記事を書きました。あんまり触れたくない話なのですが、これは今年中に決着をつけないと来年もダラダラと引きずりそうなのでけじめとして書きました。
実は少し前に保護猫を我が家で引き取った話をしました。
とてもとても可愛い「茶々丸」と名付けた我が家の愛猫が今年の夏、病気で他界しました。
約5ヶ月。月日が流れてようやく受け入れたような気がしても、ふとした瞬間にもう茶々丸はいないんだなぁと感じる虚しさがあります。
ですが、彼はもう天国へ旅立っているのでいつまでもウジウジしていてもしょうがない。前に進むために現実を受け入れる。
そう決意し、備忘録も兼ねてそのときのことを記事にしました。
愛猫が病気となったとき片っ端から検索して情報収集をしました。参考にしたブログ、サイトは数知れず。
私も今後、情報が必要になった方に私と茶々丸の記録が役に立てばと思っています。
いつもの寺社めぐりの記事ではないですが、興味のある方だけ読んでいただければ幸いです。
では、参りましょう。
うちの茶々丸が病気になりました
それは順調に育っていた6月の話。保護猫なのでいつが誕生日が断定できず、生後約6ヶ月という触れ込みだったので約6ヶ月後の8月を彼の誕生日としようと妻と話がまとまったころでした。
私が仕事へ行ってるあいだ、妻が日中動物病院へ連れていきました。
解熱剤が功を奏し、翌日からご飯を食べれるようになりました。しかし、まだフル改善とまではいかなかったのです。
そして、翌々日。
私は夜勤だったためやむなく出勤。
翌日、帰ってくると夜間動物病院へ連れて行ったと妻から報告がありました。
ということで改めて日中、動物病院へ連れて行く運びとなりました。
受診結果はFIP疑惑
え~、検査結果から申し上げますと、「FIP」が疑わしいかと思います。
FIP!…ってなんですか
猫伝染性腹膜炎(FIP)とは!?
猫伝染性腹膜炎(ねこでんせんせいふくまくえん、feline infectious peritonitis;FIP)とは猫伝染性腹膜炎ウイルス(FIPV)を原因とするネコの症状。感染はしない。猫の80%が感染していると言われている猫腸コロナウイルスの変異型だが、現在の抗体検査、遺伝子検査の精度では区別ができない。抗体価が高いこととFIPの発症には、直接の関係はない。 遺伝子検査で、腸粘膜でしか繁殖しない猫腸コロナウイルスが、腸以外(腹水、胸水)から検出した場合FIPと考えられる。
ということで猫の病気でした。そして、基本的に猫は感染している猫腸コロナウイルス、つまり発症するかしないかは本人次第。自己免疫疾患でした。免疫が完成していない子猫に多いそうです。
もっと細かい検査をしないと断定は難しいですが、現在の採血結果のγグロブリンの結果を見るとやはり高い確率でFIPだと思います。完治は難しいです。腹水や胸水が溜まるウエットタイプ(滲出型)と、神経・眼・腎臓・肝臓等が冒され、体内に液体が留まらないドライタイプ(非滲出型)の2つがありまして、おそらく茶々丸くんはドライタイプかと。
…それは、対症療法しかないやつですね。
そうです。とりあえずステロイドを処方します。
…わかりました。
帰宅後、妻は茶々丸を抱きながら泣いていました。
ERで勤務していたときは幾度となくご家族さんから聞いたセリフ。よもや自分の家族にふりかかってくる話になるとは…。
愛猫とFIPとステロイド生活
プレドニゾロン(ステロイド)が処方されました。猫に薬を飲ませるのは難しそうでしたがなんとか飲んでくれました。
相変わらずご飯を食べない茶々丸でしたが、薬が効いたのか少しご飯を食べる量が増え私と妻が胸をなでおろしたことを覚えています。
ここから妻はあの手この手で食欲が湧かない茶々丸が少しでもご飯を食べられるよう創意工夫する毎日が始まりました。
ネットで毎日調べては、鰹節だのふりかけだの、カリカリをふやかすだのトライしました。
茶々丸に関しては鰹節で食べたのは1回だけでしたね。ふりかけは食べたり食べなかったり。もはやカリカリは食べず、主食はチャオちゅーる。おかずにウェットを少しって感じでした。
処方されたステロイドを飲みきり、受診。調子が良さそうということで、ステロイドを2週間飲んで大丈夫そうなら減量してみてもいいかもしれないと先生に言われ2週間が経過。
大丈夫そうだしステロイドを半量にしたとたん、さっぱしご飯は食べなくなり、歩き方もフラフラになりました。
ステロイドを2日でもとの量に戻すも調子は上がりませんでした。
FIP闘病生活は猫の介護生活へ
私は看護師です。日夜、病院に入院している患者さんの治療と日常生活援助に努めています。
病院から帰宅すると愛猫の看護/介護をする生活になりました。
幼少期から生粋の愛猫家である妻は猫の介護経験もあり、むしろ看護師の私よりも頼もしい存在でした。
茶々丸はみるみる弱り、体重は4.1kgを最高値とし、日々低下していきました。
FIPのドライタイプそのままに、神経系が侵され以前のように動くことが難しく、食事も自ら食べられなくなり、栄養剤を人間の手で飲ませるようになりました。
看護師の私としては食事介助の際に開口などが難しい患者さんにシリンジ(動画の注射器のようなもの)で口の隙間から介助するこも日常茶飯事でしたが、妻がなんの抵抗もなくやってのけるところが頼もしかったです。
いよいよ動けなくなってきた茶々丸、死期が近いことを肌で感じるようになりました。
円形ダンボールに柔らかクッションがお気に入りの茶々丸。
通称、【茶々丸の巣】ですが、トイレから帰ってきた茶々丸は大好きな巣に帰ることができなくなりました。
トイレを目前に失禁。途中で力尽き横たわる姿に胸を痛めました。
愛猫に赤ちゃん用オムツを装着
薬が切れ、動物病院へ。日に日に弱る茶々丸。ステロイドを増やしたとてなんの効果も見えませんでした。
トイレの件を先生に相談しました。
そこまでくるとオムツですかね。
オムツ!猫にオムツってすることあるんですか?
まぁ、病気で弱ると使うケースもあります。動物用のオムツも販売してますが高いんですよ。人間の赤ちゃん用で十分高性能ですし安いですから尻尾用の穴を開ければ使えます。
そうなんや。
妻がオムツを購入してきました。
お試し用5枚セット。
そして茶々丸にセット。
よもや自力で動かなくなった茶々丸。彼の背中が語る哀愁感たるやハンパないです。
そして、いよいよ栄養剤も内服薬も飲むことが困難となりました。
薬も飲めなくなった茶々丸に我が家でステロイドを皮下注射する日々が始まりました。
まさか猫に注射する日がくるとは思ってなかったです。
最終的にmasayan家がたどり着いたのがこのペットスエット。
ただの水を飲むよりかはいくらかマシかな?ということで購入。シリンジで吸って定期的にこちらで数mlこまめに飲ませるようになりました。
茶々丸とパトロール
この頃我が家には新しい日課が生まれました。
それは動けなくなった茶々丸を抱いて家中を練り歩く「茶々丸散歩」です。
昔は一人で練り歩いていた我が家。動かすとしんどいんかなぁなんて思ってたら尻尾をブンブン振り回す茶々丸。
嫌じゃなさそうだったので私が茶々丸を抱いて家中散歩する「茶々丸散歩」は日課になりました。
2階からの眺めが大好きな茶々丸。
ちなみにですが、FIPのドライタイプで神経をやられた茶々丸は顔が引きつるようになり、顔面神経麻痺みたいな感じになっちゃいました。手足もまともに動かせない茶々丸が動かせるのは尻尾だけ。
尻尾で会話をする日が数日続きました。
Xデー、到来。
発症から約1ヶ月。日々弱っていく茶々丸。ペットスエットしか口にしなくなった茶々丸。
この頃になると考えたくもないことをまで考えるようになりました。
看護師の私としては最悪事態を想定し動くのが鉄則。
妻と今後のことを話すようになりました。
看護師の私と非医療従事者の妻。考え方も医療の捉え方もまったく別でした。
どこまで治療をするのか、延命はしたくない。ご飯が食べられないなら注射で。それは延命じゃないのか?苦しませたくない。なら、安楽死か。それは命を奪う感じがする。自然な形がいい。死ぬまで苦しませるのか。違うそうじゃない…。薬が飲めないから注射で入れるのは既に延命じゃないのか…。
価値観の違いも猫に対する熱量も自分とは違う存在の妻。
着地点は揉めにもめた結果、茶々丸が生きられるところまで。注射はステロイドで少しでも苦しみが緩和できるなら。
そういうプランになりました。
茶々丸が亡くなったことも想定し、葬儀屋も調べました。結構、足元見てますね。
胡散臭い感じもしたので、うちは地元の公立葬儀場で数千円で火葬するだけのシンプルプランに決めました。弔いは我が家ですれば十分でしょう。
一度、妻と下見に行き、その帰りホームセンターで火葬日までもたせるための発泡スチールの箱と大きい保冷剤を購入。
いつでも迅速に対応できるよう準備が整いました。
永遠の別れ
その日の夜、一緒に寝ていた茶々丸に異変が起きました。
明らかに熱い体温。
そして、痙攣。
先生からも痙攣が起きやすくなるだろうと言われていましたが、まさにこれかと思いました。
抗けいれん薬も無い今、できることは茶々丸に触れ声をかけることしかできませんでした。
7月19日。
夜間で数回、痙攣があったものの朝を迎えました。
朝になると落ち着きを取り戻したかに見えた茶々丸。
その日は私が夜勤だったため昼までしか家に入れない状況。
昼になり、動物病院に行くか行かないか話をしていた昼食時。
今までにない悲鳴のような声を上げ、瞳孔がはち切れんばかりに広がり茶々丸は痙攣起こしました。
静かになった茶々丸。手を握り、声をかけることしかできませんでした。
帰ってきた茶々丸
我々飼い主側が既に火葬場の下見まで終え、必要物品まで揃ったことを察していたかのような茶々丸。
すぐさま茶々丸の遺体を冷却。火葬場に連絡するも混雑していたため茶々丸の出番まで数日を要しました。
当日までの数日間、保冷剤を交換し続きました。
当日、火葬場へ茶々丸を搬送。火葬していただきました。
骨だけになりましたが茶々丸が我が家に帰ってきました。
妻が選んだ卵型の骨壷です。
この卵型がまた、新しい命となって生まれ変わってくれる気がしたのです。
おわりに
茶々丸が我が家に来たのは実質5ヶ月だけでした。
とても5ヶ月間とは思えないくらいの濃密な時間を過ごさせてもらいました。
まさか、自分が自宅で猫に注射したりトイレの介護をしたりする日がくるとは考えもしてませんでした。
手を尽くすか、諦めるのか、どこまで何をするのか。
妻と腹を割って何から何まで話すこともなかなかない経験でした。
これが我が子だったとしたら…。猫だったから良かったって話ではないですが、もしものときのことを話す経験値を得ることができたのは大きかったです。
救命の現場で働き、人が死ぬことが日常となり、人が亡くなっても何も感じなくなった私の心をここまでゆらしてくれた彼の存在は大きかった。
おまえの心は死んでない。まだ動くよ。
体を張って彼が俺に伝えてくれたようにさえ感じました。
新たなる家族
毎日泣いてる妻が思い立ちました。
わずか一ヶ月で我が家に二匹目の猫を迎えることになりました。
もちろん、保護猫カフェ「ねこかつ」からです。
8月に我が家に来た、茶々丸から「丸」の一文字を受け継いだネコさんです。
やはりネコ一匹では人間が家を留守にしている時間寂しいだろうと配慮。
茶々丸には少しさびしい思いをさせる場面もあったかもしれません。
ネコが二匹揃うとそれはそれは元気いっぱいに家中を暴れ倒してます。
人間がいなくても寝るか走るかしてます。
幸いなことに二匹が仲良さそうにしる光景はとてもほっこりして精神衛生上いいですね。
けっして茶々丸の穴埋めの存在ではなく、あくまでも新しい家族。
我が家には今もネコが3匹いると私は思っています。
茶々丸の存在があったからこそ、俺も妻もひとつ成長できたように思います。
茶々丸、短い期間だったけど心のそこからありがとう。今も大好きだよ。
そんな楽しい時間と辛い時間を過ごした2019年。
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